海宝堂2〜魔女の館〜

目を見開いて、目の前に迫るダートンを見る。
その目には、最初に会った時に感じた輝きは無い。
彼を巻きこんだ。そんな自分にどうして彼を殴ることができるだろう?

そんな思いが今までシーファの攻撃の手を止めさせていた。しかし、ふと浮かんだ一つの疑問。

でも…このまま、彼に剣を振り降ろさせてもいいのだろうか?

彼は海賊で、船長で…あの洞窟でボロボロの私を止めないで、見守ってくれた。
もし、私がこのまま彼に手を出すことが出来ずに、彼に斬られて死んでしまったら…?


「…させない。」

シーファの呟きに、ぴたりとダートンが体を止める。後ろで魔女がニタニタと笑っている。