海宝堂2〜魔女の館〜

森を抜け、港に戻ると船の上から船員達がシーファ達の姿を見つけ、ダートンを呼ぶ。

「シーファ!あの女捕まえたぜ!」

ダートンが船の上から大きく手を振り、そう叫んだ。
船に上がり、船員達の間を抜けて、メインマストの前へ…。
嬉しそうに笑うダートンが顎でマストの根元を指す。
マストに縄で何重にも縛られたマティリが恨めしそうな目をこちらに向けていた。

「な?あの時の女だろ?」

「ええ。」

「それだけかよ?もうちょっと誉めてくれてもいいんじゃないか?」

「でも、そんなに大変じゃなかったみたいだし。」

「まぁな。でも、お前の探してた奴を捕まえたんだから、礼ぐらい…」

シーファに近づこうとするダートンの前にガルが立ちはだかる。
明らかな敵意の視線を受け、ダートンは一言、ほぉ…と呟くと、一歩下がり、樽の上に腰を降ろした。