そして、森に足を進める5人だったが、ニーナはすでに疲れていた。
ダートンは何かにつけて近づこうとするので、シーファは遠くに離れてしまい、進まない。
バンズは近づきはしないが、リュートがかなり怯えてしまって、進めない。
こんなんで大丈夫か、本気で不安になるニーナだった。

「シーファ。あっちはあんたがぎゃーぎゃー言うから、余計面白がってちょっかい出してくるのよ。もっと毅然とした態度で接すれば何もしてきやしないわよ。」

「毅然と?」

「そう。誰も近づけないくらいの高貴なオーラを出すのよ。仮にも王女様だったんだから、出来るでしょ?それでもって、奴らをこっちの思うように使ってやればいいのよ。」

「仮にもって…
毅然とした態度…うん、やってみる。」

ニーナに言われて、力強くうなづくと、10歩前を行くダートンが呼んだ。