撮影がおわり、店に向かう。

いつもは美香と一緒だけど、
今日は先に出た。


タクシーという密室で
色々聞かれるのが
めんどくさかった。


―――――…


オープンと同時に蓮が来た。
もちろんアタシ指名。

なんとなく予想はしてたケド…


「家、帰んないの?ウケんね、
お前」


『まぁね〜たまにはいい
じゃん?』


「男でもできた?」


コイツ、どんな神経してんの?


でも、絶対顔に出したくない。


『そうかも〜なんて?』

首を傾げる。


お腹の底は煮えくり返る。

「ね〜もう一回やり直そうぜ?」


『もう〜蓮に興味ないから〜』


こんなやりとりを繰り返し、
見込みがないとわかると
蓮は帰って行った。

またくると言って…



ウザい…



心底つらかった。

アタシがオッケーしなければ
毎日来そうな気がした。


指名は次々入る。
気力も体力も限界だった。