「いつも仕送りして頂いてすみません。おじさんにもよろしく伝えてください。」


電話越しなのに、つい癖で頭を下げてしまう。


「いいのよ、そんなこと!みずくさいわよ。」


この人は、私達の親代わりのような人。

前住んでいたアパートのお隣の田中さん。

お子さんがいなかったから、私達をまるで娘や息子のように可愛がってくれた。

私達のことをいつも気に掛けて、仕送りしてくれている。


いつか絶対返すんだ。


「さやかちゃんこそ元気なの?」


「ええ、元気です。」


「よかったわ。」


おばさんのやさしい声、

なんだか落ち着くなぁ。