「すみません…。でも、先生」
「もう帰りなさい!!」
先生は私に強く言い放つ。
それでも私は食い下がらない。
「私がここにいてはいけないことは、自分でもよくわかっています。」
――でも、このまま食い下がるわけにはいかないの…。
「……でも、竹内君をあのままにして…、自分だけ、帰れません…!」
私にできることなんて、たかが知れてるのかもしれないけど……。
何もしないでいるなんて、苦しすぎるの。
もしかしたら、自分が和也君を助けることで、楽になりたいだけなのかもしれないけど……。
「折原……。わかっているなら、帰れ。」
森下先生は困り果てたように眉を歪め、腕を組んだ。
「お願いです、先生!竹内君は悪くないんです。話だけでも聞いてください!!」
私は深く頭を下げてお願いした。
そして、それと同時に、もどかしさや自分への嫌悪感が涙となって、また瞳を濡らしていく。
……どうしても和也君を助けたいの――。


