最低だよ、私……。
何でこうやって、巻き込んでしまうんだろう。
……よりによって、和也君を…。
私はがくんと膝を折るようにしてしゃがみこんだ。
「……さやか。」
その声とともに、誰かの手が私の肩に触れる。
涙目で上を見上げれば、傘をさしかけ神妙な顔をした理香がいた。
「理香ぁ……。」
「ごめんね……。私、さやかと約束したのに。」
理香は申し訳なさそうな顔をして言う。
「ううん。理香は何も悪くないよ。」
私はゆっくり立ち上がって、腕で涙を拭った。
悪いのは全部私だ。
これは私の責任……。
「大丈夫かな……?和也君……。」
自分のことで、和也君はあんなことになった。
大変な処分でないよね……?
どうしようもない不安が胸に押し寄せて、苦しくなる。
「絶対大丈夫だよ――。悪いのはあの先輩よ。きっと悪いようにはならないよ。」
理香は私を慰めるように優しくそう言ってくれた。
そして私は、できる限りのことをしようって決めたんだ。


