よかったぁ~――。


私は心の底からほっとした。


「ありがとうございます、先生!!」


電話なのに思い切り頭を下げた。


「礼を言うなら、あいつらに言え。」


「はい?」


私が聞き返すと、森下先生は笑いをもらしながら話し始める。


「すごかったぞ、斉藤たち。教師たちに食ってかかってきた。事情も散々聞かされて、あいつらには参ったよ。」


――理香―――。


「――そうでしたか。」


嬉しくて、胸が熱くなる。


「あぁ、あと、あの1年の竹内とかいったか?1年なのにすごい剣幕で、驚いたぞ。」


先生は言い終えると、わははと笑った。


――和也君も……。


私の心臓は和也君の話になった瞬間、さっきまでとは違い少し大きく跳ねた。


何だろう、この感覚……?


「まあ、とにかくいい仲間を持ったな。じゃあ、月曜から出てこいよ。」


「はい、ありがとうございました。失礼します。」


私はとてもあたたかい気持ちで受話器を置いた。



理香も、和也君も、本当にありがとう――。


私は嬉しくてじわりと溢れてきた涙を腕で拭いながら、静かに心の中で呟いた。


早くみんなに

――ありがとうって

言いたいな――。