「でも、姉ちゃんはどうなの?和也兄ちゃんとかに会えなくなるんだよ……。」
将太は静かにそう言うと、少し照れたようにこう続けた。
「……姉ちゃんは今まで頑張ってきたんだから、姉ちゃんが決めればいいよ。」
将太はそう言い残すと、ご飯をかきこんでさっさと奥の部屋に行ってしまったんだ。
はぁ〜。
私より将太の方がよっぽど、しっかり考えてる……。
それに私にそんなふうに言ってくれるなんてさ――。
私はそう思いながら、真上にある天井見つめ、おばあちゃんからもらった紙に書かれていた住所を思い出す。
……福島県………。
一緒に暮らすことになれば、
理香たちとは離れ離れになるんだ………。
いきなりおじいちゃんとおばあちゃんに会えた戸惑いもあったけど、
今は理香たちと会えなくなることへの迷いが大きくなってるみたい。
――どうしたら……いいの…?
……だけど、今は処分の問題の方が先だよね。
なんかいろんなことが山積みだ――。
私はそんなことから目を背けるように目を閉じた。


