私は、暗い部屋の中をほのかに照らす、あたたかい色をしたナツメ球をなんとなく見つめていた。
色々なことがありすぎたせいか、布団に横になってもなかなか寝付けない。
夜中になって雨が降りだし、その音ばかりが耳につく。
……もうどれくらいの時間が過ぎたかな?
ケータイを開いて確認すれば、もう3時になろうとしている。
なのに、答えは何一つ出せていない。
別に、難しいことではないはずなのに………。
嬉しいことなのに、こんなに悩むなんて、変だよね――。
私は雨音だけが響くこの部屋で、一つ大きなため息を吐いた。
そして、ふと夕飯のときに聞いた将太の答えを思い出す。
「将太はどうしたい?」
私がそう聞くと、将太は悩みながらも自分の考えを口にしていった。
「……う〜ん、まだびっくりしてるけど、一緒に暮らすのもいいかなって思う。せっかく会えたし、今の学校にずっといたいとも思わないし……。」
――確かに、そうだね。
将太にとって今の学校は、とどまりたい所では、決してないもんね……。
だけど、将太はこんなことを私に言ったんだ――。


