私はまだの今の状況を、飲み込め切れていないところが多く少し混乱していたけれど、とにかく中にあがってもらうことにした。
将太もまだきょとんとしたまま座っている。
私はとりあえず、2人に麦茶を出した。
「……あの、よかったら、どうぞ…。」
なんだか少し緊張してしまって、つい声が小さくなる。
だって、まだ現実感がないんだもの……。
「ありがとう。元気そうでよかったわ。」
…おばあちゃん…は優しく微笑んでそう言ってくれた。
「……あの、よくわからなくて、いくつかお聞きしたいことがあるんですけど……。」
なんて言っていいかわからなかったけど、とにかく聞きたい。
わからないことだらけだから――。
「そうよね。いきなりこういう形で会っても混乱するわよね。」
私は、目を伏せるようにして少し頷いた。
「じゃあ、順を追って話させてもらうわ。」
そうやって切り出されたおばあちゃんの話に、私と将太は真剣に耳を傾ける。
「あなたたちのお父さんとお母さんの結婚までのいきさつは知っているかしら?」
「……はい。」
私が静かに返事をすると、初めて聞く話が耳に飛び込んできた。
「あなたたちは知らないかしらね?あれから、毎年春に一通、幸子から手紙が必ず送られてきていたのよ。」
――手紙が……?


