「……姉ちゃん?」
すると、将太が玄関の方にやってきた。
「あ、あなたが将太君ね。」
えっ――??
女の人は将太の名前を口にすると、私と将太の顔を見て安堵したように笑顔を浮かべる。
びっくりして私と将太は思わず顔を見合わせた。
全然何が何だかわからない――。
「どういうことなんですか……?」
私がそう聞くと、沈黙していた男の人が口を開いた。
「私達はね、君たちの祖父母にあたるんだ。」
………祖父母?
思考がストップする。
私は最近色々あったから、幻聴を聞くほどに疲れてるのだろうか?
だって、ありえない。
よくわからなくて、少し笑ってしまいそうだ。
「驚くのも無理はない。会うのは初めてだからね。」
男の人は落ち着いた声でそう言うと、決定的な言葉を続けたのだ。
「だがね、君たちの母親、幸子の親なんだ。」
……お母さんの親?
私は自分の言葉にして、頭に理解させる……。
じゃあ――
「――本当におじいちゃんとおばあちゃんなんですか?」
「そうだ。」
本当…なんだ……。
まさか会えるなんて――。


