何だろう?
「将太、ちょっと待っててね。」
私は将太にそう言ってから、玄関に向かった。
聞き覚えのない声だし、セールスか何かかな?
私はドアノブに手をかけ、そっと扉を開ける。
「はい。何のご用でしょうか?」
玄関の前には、見知らぬ60代ぐらいの夫婦らしき人が立っていた。
女の人は、パーマが緩くかかっていて、すごく上品な雰囲気。
男の人の方は、少々白髪が混じった短髪で、堅く真面目な雰囲気が漂う人だった。
……どうやら、セールスではないみたい…。
…じゃあ、誰……?
すると、女の人が口を開く。
「あの、いきなりごめんなさいね。あなた、…折原…さやかちゃんよね?」
「……へっ…?」
何で私の名前を……?
「何で……知ってるんですか?……どなたなんですか?」
――私には、
まったく
見当もつかなかった――。


