「あー、なんか喉乾いたぁ。」
将太はそう言いながら、奥の部屋にランドセルを置きに行く。
「麦茶でいい?今いれてあげるー。」
「うん。」
そうして私は席を立ち、冷蔵庫に入っている麦茶の冷水筒とグラスを2つ取りに行った。
将太がいた方が、少しは余計なこと考えなくて済みそうだ――。
私は将太が待っているテーブルに戻り、グラスを置いて音をたてながら麦茶を注ぐ。
あぁ、そうだ!
「将太、何かおやつでも作ってあげようか?」
私はニコッと笑って将太に聞く。
暇だし、たまにはこういうのも、いいもんじゃない?
「うん、食べる!」
お腹が減っているのか、意外にも素直に答えた将太に私はつい笑ってしまいそうになる。
「じゃあ、ホットケーキの粉余ってたと思うから作ってあげるよ。」
私はそう言って、再び台所へと向かう。
――なんだか今は時間がゆったりと流れているように感じられた。
ちょっと心が落ち着くんだ――。
その時、玄関の方から音が聴こえてきた。
「こんにちはー。御免下さい。」


