「わかってるって。和也君にブレーキかければいいんでしょ?」
理香のすぐ返ってきた返事に驚いたけど、私はほっとしてつい笑みをもらした。
「よくわかってるね、理香は。」
理香が言ったことは、
私が言おうとしたこと
そのものだったから――。
「私を誰だと思ってるんですか?さやかさん?」
理香はふざけて先生口調で言う。
「は〜い、すみませんでしたぁ。」
だから、私もちょっぴりふざけながら返してみたんだ。
たぶん、
こんなふうに明るくふざけて話せるからこそ、
私は理香にお願いできたし、
こんな時でも心から笑って話せるんだと思う――。
「まあ、私のできる範囲でやってみるよ。」
そう言った後、理香は軽く息を吐き、こう続けた。
「それに、さやかのこと、絶対私達が守るから。」
力強いその言葉に、私の胸はあついもので満たされていく。
「――ありがとう。」
私は優しい人たちにかこまれて、
本当に恵まれてるよね。
「大船に乗ったつもりで、安心して待っててよ。じゃあね。」
「うん!じゃあね。」
そうして私達は電話を切った。
――話せてよかったと思いながら――。


