冷酷に微笑む髪の長い女の子が一人、腕を組み、下駄箱の側面に寄り掛かり立っていた。
「あっ、折原先輩!大丈夫でしたかぁ?」
別にそんな驚いた様子もなく、薄笑いを浮かべ、私に近寄ってくる。
「何で、ここに居るの?愛奈ちゃん……。」
いつもの雰囲気とは違う愛奈ちゃんが私の目の前に立っている。
普段も笑顔の裏に、何か正反対のようなものがある気がしていたけど、今はそれがむき出しになっている気がした。
愛奈ちゃんは、氷のように冷たい瞳をしたまま不敵に笑みをこぼす。
「うーん、それは、折原先輩がどんなに悲惨な顔してるのか見るためですかね。」
そう言い終えて、アハハと声をあげて笑う愛奈ちゃんに、私は背筋がぞくっとした。
……たぶん、あの紙をはったのは……、
私は意を決し、愛奈ちゃんに聞く――。
「ねえ、あの紙をはり出したのは――、愛奈ちゃんなの…?」
真正面から向き合い、単刀直入に切り出した。
すると、愛奈ちゃんの表情から一瞬にして笑みが消えたのだ。
「先輩、思ってたより鈍くないんですね。」
低く冷酷な声音でさらりと耳に流れ込んできた言葉――。
私の質問を否定しなかった……。


