超モテ子の秘密



やっと職員室に着いた。


廊下と違って、とても静かに感じられる。


「折原座れ。」


私は森下先生のデスクの前に用意されたもう一つの椅子に静かに腰掛けた。


「早速だが、今日張られていたあの紙について話がある。」


森下先生は眉間にしわを寄せ、険しい顔をして話を切り出した。


「実は今朝、校内の何箇所かにあの紙が張り出されていた。」


森下先生のデスクの上に目を移すと例のあの紙が置いてある。


「見つけ次第教員ではがしたが……。たちの悪い悪戯かとも思ったが、折原、ここに書いてあるバイトをしているという部分は本当か?」


先生の質問がいよいよ核心に迫った。


手が小さく震える。


――この時が来てしまった。


その震える手を自らの手を重ねて押さえこみ、私は答えを口にした。


「……本当です。」


先生の顔をうかがえば、最初は目を大きくし驚きの色を見せたけれど、すぐにさっきよりも険しい表情になった。


「真面目な折原がまさか……。本当なんだな?」


もう一度同じ質問をしてくる先生。


「そうです。校則違反だと知っていて、……雇い主には秘密にし、バイトしていました。」


私の言葉に先生はひどく落胆し、大きなため息をついた。