2人は何か言いたげな、苦々しそうな顔をする。
でも、私は2人に背を向けた。
自分でわかっていてした校則違反……。
だから、自分でかたをつけなくちゃ――。
「先生、ちゃんとお話ししますので、行きましょう……。」
私は静かに先生に言った。
「そうか。」
先生はそう言って再び歩き出す。
そして、私は心配そうな視線を背にしながら、ただ先生の後ろをついていった――。
……廊下を歩き、職員室へと向かう。
廊下に居る生徒はもちろんのこと、私の存在に気付くと教室の中に居る生徒までもが騒ぎ出す。
いつも聞くざわつきとは何もかもが違う。
こんなにも変わってしまうものなんだ……。
いつかバレてしまう日が来るかもしれないとは思ってたけど、
先生にこうやって呼び出されるのも、
みんなにこんなふうに騒がれるのも、
やっぱり怖いし不安だな……。
「ほら、静かに!教室戻れー!」
生徒に呼び掛ける森下先生の声が廊下に響く。
私は視線だけでも感じないように、俯き気味に歩いた。


