「少なくとも、校則を破っていることは、本当だからね……。」
私は苦笑いをもらしながら言った。
何も知らない岡田君は少し驚いたような顔をしたけど、和也君と理香はむきになって私に言ってくる。
「何言ってるんですか!?何も悪いことしてないじゃないですか、先輩は!」
「そうよ!!さやかがバイトしてるのだってっ」
「いいんだよ、2人とも!!」
とっさに2人の言葉を遮った。
理由は何であれ、私が校則を破っていることにかわりはないのだから。
2人に庇ってもらえる資格はないんだよ……。
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、事実だから。和也君には迷惑かけちゃったけど、自分でどうにかするから……。」
私はスカートを掴みギュッと拳に力をこめる。
その時、後ろの方から声がした。
「おっ、折原そこにいたか!」
振り向けば、急ぎ足でこちらに、ワイシャツに紺のベストを着た中年の男性が向かってきている。
それは、担任の森下先生だった。


