「あっ、ごめん……。」
こんなこと考えてる場合じゃない。
もう一度あの紙に目を落とす。
これは悪夢じゃなくて、現実なのだ。
しっかりしろ、私――。
「みんな、ありがとう。私のために、色々言ってくれて嬉しかった。」
私は理香に支えられていることを思い出し、自分の足で立ちながらお礼を言った。
今はうまく笑顔になれないけど、本当に嬉しかったんだ。
「当たり前のことでしょ!」
「そうですよ、先輩。」
3人は優しく微笑み、また私の心をあたためてくれる。
……でも、もう一つ言わなきゃいけないことがある。
「それから、和也君、ごめんなさい。」
和也君は、私の言葉を聞いた途端、ぽかんとした。
「私だけならよかったのに、写真に一緒に写ってる。巻き込んで、迷惑かけて、ごめん。」
この写真は良く顔が写っているから、私の顔も和也君の顔も十分確認できた。
和也君には本当に申し訳ないと思う……。


