「みんな何見てんのよ!!こんな噂に流されちゃって!」
理香は私のためにすごい剣幕でみんなを怒鳴りつけてくれた。
「そうだ。折原はそんな奴じゃない。」
岡田君もそう言ってくれた。
でも、2人がどれだけそう言ってくれても、周りの反応は変わらない……。
そんな中、和也君の方から微かに震える声が聴こえた。
……でも、よく聞き取れない。
すると、和也君は突然顔をキッとあげ、怖い目つきでみんなを睨んだ。
「折原先輩の何を知ってんだよ!?知らないくせに、こんなくだらない噂一つで陰口叩いて恥ずかしくないのかよっ!!」
一度も聞いたことのない、悔しさと怒りが入り混じった和也君の激高した声があたりに響き渡る――。
私はそんな和也君にくぎ付けになった――。
「おい!!やったの誰だよ!?こんなキタナイことして……!正々堂々出てこいよ!!」
和也君はより一層声を張り上げる。
何で…何で……、
そんなに悔しそうに…、
そんなに一生懸命に……、
――私のために訴えってくれるの?
私は、和也君のために何もしてあげられてないし、和也君の想いにもこたえてあげられてないのに………。
だから、余計にそんなつよい優しさが胸に染みてきたんだ――。


