……ん? 私は固まった。 たぶん…昨日の子じゃん!? その子は渡辺書店の端の棚の前で立ち止まり、本を見ていた。 「あの〜、昨日私を助けてくれたのってあなたですよね?」 私はその子にそーっと声をかけ、聞いてみた。 「俺の顔覚えててくれたんすか?」 その子は私の方に振り返り、笑顔で答える。 私はその笑顔に何故か少しドキッとしてしまった。 そして、その笑顔を見た瞬間私は思い出したんだ―――。