……えっ…?
「……でも、それじゃ――。」
そう……、
忘れなきゃ――、
捨てなきゃいけないんだよ―――。
早く前を向かなきゃ。
「忘れようとするから、捨てようとするから、辛いんだよ。きっと……。」
理香の言葉が、私の頭の中でこだまする――。
…私は、……無理に陸人を忘れなくても、本当にいいのかな…?
それでも、私は前を向けるのかな……?
「さやかを支えてくれた大事な人でしょ?その思い出まで捨てたら、悲しすぎるじゃん。……今は辛いだろうけど。」
そう言いながら私の頭をなで続ける理香の手は、どこかお母さんのぬくもりに似ていて――、安心していく自分がいた。
“思い出まで捨てたら、悲しい”か―――。
今まで私を支えてくれた、
陸人の優しい笑顔、
陸人の思いやりが詰まった言葉、
今でもキラキラしていて色あせることのない思い出たちが
こんなに涙が溢れていても
瞼の裏に鮮明によみがえる――。


