「何でも話してたら、こんなことにはならなかったのかなぁ……?」
……今悔やんでも何も変わらないけど…、
ついそう思ってしまう。
ほんとにバカみたい。
「それに、私を呼び出した先輩に、別れたのはお前に飽きたからだろ?って言われて、……胸がざわついて、…ちゃんと否定できなかった。」
私は理香の手をほどくと、スカートの左のポケットから壊れた腕時計を出して理香に見せた。
「こんなふうになっちゃった……。これ見ると苦しいの。陸人のこと、忘れられないの。だから理香、腕時計捨てといてくれないかな……?」
パシッ―――。
左の頬が少し痛い。
理香は、震える右手を自分の左手で押さえていた。
「そんなの引き受けられない。本当に捨てたいなんて思ってないでしょ!!」
頬よりも、胸が痛い……。
理香の力強い言葉がぐさりと刺さる。
「さやかが一番わかってるでしょ。陸人君がそんな人じゃないってこと。」
理香の言う通りだ。
あんな人に言われたぐらいで、ちゃんと否定できなかった自分が情けない……。


