――私はやっとのことで1個のおにぎりを食べ切った。
理香が余計に心配するから、……無理矢理に。
「もっと食べたほうがいいんじゃない?私のあげるよ!」
そう言って、理香は強引に自分のお弁当を私に差し出す。
「いいよぉ。」
私は理香のお弁当を押し戻した。
「ただでさえ細いのに、これじゃガリガリに痩せ細っちゃうよ!」
さらに強引さを増す理香。
……ガリガリって大袈裟だよ。
「折原さん、先輩がたずねに来てるよ。」
気付いて声のするほうを向くと、廊下側の席に座っている井上さんが伝えてくれた。
「あ、ありがとう。今、行くね。」
私は井上さんに返事をして、机の上を片付ける。
「じゃあ、行ってくるね。」
理香にそう告げ、席を立つ。
「ちょっ、ちょっと、さやか!!」
焦って呼び止める理香の声を背に、私は教室を出た。


