私は夏服に袖を通し、学校に行く準備をする。
将太はもう先に家を出ていった。
そうだ、今日は燃えるゴミの日だから、ゴミ集めて捨てなきゃね。
私は流しの下の物入れからゴミ袋を出し、居間と小さな勉強机の隣にあるゴミ箱の中に入っているゴミを音を立てながら順に集め、袋をキュッと2回結んだ。
じゃあ、行こう。
あっ、腕時計つけ忘れた。
ゴミ袋を足元に置くと、いつものように勉強机の上にある腕時計を手にとる。
その時手首につけようとする右手が躊躇った。
……あぁ、そうだったね…。
陸人は……もう………。
腕時計を見ていたら、胸に鉛を詰められたように重く苦しくなった。
私は足元にあるゴミ袋に視線を落とす。
……捨てたら…楽になれるかな……?
徐に、結び目に手をかける。
―――でも、結び目をとることができなかった。
固くて取れなかったわけじゃない……。
捨てられなかっただけ。
陸人からもらったお守りだから―――。
躊躇いながらも、いつものように脆くなった腕時計をつけ、私はゴミ袋を持って家を出た。


