「何があったの?陸人君とのこと?」 理香は興味津々でたたみかけるように聞いてきた。 「なっ何もないよ。」 「いいや、あるね。今、目そらしたもん。」 理香は腕組みをして得意気に言う。 「うっ…何で分かるの?」 私はもう否定できなかった。 「だって、さやか分かりやすいもん。」 本当に理香には嘘をつけない…。 この学校で、私がバイトをしてるのを知っているのは、理香だけ。 そうバレたのは、私が風邪をひいた去年の秋――。