「な、何かおかしかった?」
「いや、仲いいなぁと思って。」
私が問いかけると、やわらかい表情で答える和也君。
「そんなことないって。」
将太は首を横に振った後、こう続けた。
「それよりさ、今度は和也兄ちゃんが頑張る番だよ。」
えっ??和也君が??
和也君も私と同じくきょとんとした顔をしている。
すると、将太が和也君を手招きして、何か耳打ちをした。
聞き終えると和也君の顔は赤くなっていく。
「…将太はなんでもお見通しなんだな。俺も頑張るよ。」
私には将太と和也君の言っている意味が全く分からない…。
「また秘密の話!?」
「別に。姉ちゃんには分からないだけだよ。じゃあ、帰るね。姉ちゃんもバイト行った方がいいよ。」
将太は背を向けひらひら手を振りながら、そう言い残していった。
「あっ!じゃあ、また今度ね!」
私も疑問を残したままその場を後にした。


