「―――やったよ!」
そんな男の子の声が耳に入ってくる。
私はその声に導かれるように、自転車を発進させていた。
「―――頑張ったな―――」
もう1人の声。
だんだん声が近付いてくる―――。
気付けばここはいつもの公園。
私は公園の外に自転車を乗り捨てると、その声のもとへと走る。
最初に聞こえた声の男の子のもとへ―――。
私はその子に駆け寄り前にしゃがむと、両肩をつかんだ。
「将太、心配したじゃない!!」
叱るのと同時に、私の手は将太の頭をぺしっと叩いていた。
「叩かなくてもいいじゃんかぁ!」
将太は頭を押さえながら、いつもの調子で返してくる。
「何言ってんの!?待ってたんだからね!人の気も知らないで!」
そんな言葉とは裏腹に、私の前にある将太の顔が滲んでくる。
―――よかったぁ―――――。


