私はアパートの階段を駆け上がり、ドアノブに手をかけ勢いよく開けようとした。
痛っ!!
思いきりドアにおでこをぶつけてしまった。
開かないドア。
将太、………まだ帰ってないの??
私はドアの前にしゃがみ、膝に鞄をのせ中をあさり鍵を出した。
そして、ガチャリとドアを開け、ずんずん中へ入る。
もちろん玄関に靴はなく、将太の姿もなかった。
ランドセルもないし、帰ってきた形跡は何一つない。
…やっぱり帰ってない。
肩に掛けていた鞄は腕をするりと抜け、畳の上に落ち、私はぺたりと座りこんだ。
私の胸は不安で押しつぶされそうだった。
………大丈夫なの?将太……?


