「へぇ、将太君カッコイイじゃない。」
理香は感心したように言う。
「でも、…心配だよ。」
今も、不安で、不安で…。
私が心配しても何もならないことは分かってるけど…。
「自分の弟、信じないでどうすんの?絶対大丈夫だよ。」
……そうだよね…。
「…うん。」
私は自分に言い聞かせようと返事をした。
すると、理香が左手の人差し指を立て口のあたりにあてながら、ニコニコと話し始めた。
「それにしてもさぁ、将太君、すごく男らしくなったよね?」
確かに、あんな凛々しい将太は初めて見たと思う。
「うん。なんか急に男らしくなったと思う。今日はちょっとびっくりしちゃったよ。」
本当に、いつの間に、あんな顔するようになったんだろう?
「きっとお姉ちゃんが思ってるのより、弟は成長してるもんなんじゃない?まあ、私は兄弟がいないからよく分かんないけどさ。」
いつもと変わらずニヤニヤしながら言う理香。
でも、なんとなくだけど、その言葉にしみじみ納得している自分がいた―――。


