~今日の朝~
私が台所で朝ご飯の支度をしていると、将太が起きてきた。
「姉ちゃん、おはよう。」
だいたいパジャマのまま目を擦りながら起きてくる将太だけど、今日はもう着替えてあって目もシャキッとしている。
「お、おはよう。今日、どうしたの?」
私は思わず聞いてしまう。
だって、こんなこと珍しいんだもの。
「俺、今日、馬鹿にしたあいつらをぎゃふんと言わせてやるんだ。」
将太はとても凛々しい顔で、そう宣言したのだ。
私の胸は驚きと不安ですぐにいっぱいになっていく―――。
「和也兄ちゃんにいっぱい特訓してもらって、俺強くなったから。あいつらにもう馬鹿にはさせない。だから、今日いってくる。」
将太の決意に満ちたまなざし。
心配だけど、こんな目をした将太を見たら、私が不安な顔を見せちゃいけないよね…。
「頑張れ。将太ならできる。」
私は将太の頭をぐしゃぐしゃっと撫でて笑いかけた。


