超モテ子の秘密



私達は席に着き、鞄から教科書やノートを出す。


「さやか…、あのさぁ……。」


私が理香の方を向くと、前の席に座っている理香が椅子に横向きに腰掛け、言いづらそうに話し始めた。


「今日の帰りね、…ゆ、雄介君と一緒に帰ることになったの。だから、…一緒に帰れないんだけど、ごめんね。」


伏し目がちに顔を赤くしながら言う理香。


私はそんな理香を見てちょっと吹き出してしまった。


名字じゃなくて、もう名前で呼ぶようになったんだ。


でも、言うと理香怒りそうだからやめておこう。


「理香、私に気を遣わなくていいから、ね。私、今日は早く帰らなきゃだし。」


「あぁ、…うん。ねえ、今日用事あるの?」


用事ではないけど、大事なこと………。


思い出すと、心の中にもやもやと不安がたちこめてくる。


「用事というか………、今日、将太がいじめっ子たちをぎゃふんといわせてくるって…。」