「将太、挨拶ぐらいしなさいよ。」
そんな将太が見てられなくて、私はつい言ってしまう。
「………よろしく。」
なんの愛想もない返事。
ま、しょうがないか…。
「兄ちゃん暇なんだ。少し一緒に遊んでくれる?」
「……わかった。」
渋々だけど、将太は返事をした。
ふと腕時計を見るともうすぐバイトの時間!?
「やばっ!!バイト行かなきゃ!」
「そうですよね。行ってらっしゃい、先輩。」
和也君はニコッとして私を見送る。
「じゃあ、和也君、将太をよろしく。将太、姉ちゃんバイト行ってくるから。」
私はむすっとしている将太をおいて、渡辺書店へと急いだ。
ちょっと心配だけど………。


