―――翌日の夕方。
「将太、行こー。」
私は家の玄関を出る。
「わかってるって。」
将太も靴を履いて、つま先をトントンとさせながら出てきた。
私は扉を閉め、鍵をかける。
「私そのままバイトに行くから、鍵渡しておくね。」
そう言って、将太に鍵を差し出す。
「はいはーい。」
将太は鍵をポケットにしまい、私達は錆びた階段を下りる。
こっちに越してきてから将太はあまり自転車には乗っていないけど、一応私の自転車の隣には将太の自転車がとまっている。
「じゃあ、私の後ろついてきて。」
そして、私達はそれぞれ自転車にまたがり、約束の公園へ向かった。


