私は、今夕飯の支度をしている。 「姉ちゃん腹減ったよ。まだ~?」 後ろの方から将太の声が聞こえてくる。 「今できたから、運んで。」 「はいはい。」 嫌そうな返事だったけど、将太はちゃんと運びに来てくれた。 「ありがと、将太。」 「…別に。」 将太はプイっと横を向き運んで行った。 でも私は、そんな将太を見て少し安心する。 将太の体は傷が絶えていないけれど………、 いつも通り少しツンツンしてて、 でも、 優しい将太がそこにはいたから―――。