「一昨日はありがとう。和也君の言う通りだったよ。ちゃんと話して、将太の気持ち初めて知れた―――。」
私は笑顔で告げた。
和也君がいなかったら、将太の気持ち知らないままだっただろうなぁ。
「よかった。それに、先輩が笑顔になって。」
優しく微笑みながら言う。
私はそんな言葉についはにかんだ。
「…でも、俺、あの日カッコ悪いとこ見せちゃいましたね…。男のくせに…。あの、あれは忘れてください。」
和也君は今度は顔を赤くして、照れ笑いする。
「カッコ悪くなんかないって。むしろ、カッコ良かったよ。ホントにありがとね。」
―――あの日の和也君は本当にカッコ良かったよ。


