私はギュッと目を瞑って、首を左右に振り、その考えをかき消す。
それより、和也君探さなきゃ!
「あの、愛奈ちゃん…、ちょっと用事があるの。だから、ごめんね。」
そう言って、愛奈ちゃんの横を通り抜けようとした。
すると、愛奈ちゃんは上目遣いで私を見る。
「先輩、待ってください。もっとお話したいですぅ。ダメですか?」
……愛…奈…ちゃん…?
私は立ち止まる。
うまく言えないけど…、その目に違和感を感じた―――。
……愛奈ちゃんがよく分からないよ……。
「…ごめんね。また今度でもいい?」
「……分かりました。」
愛奈ちゃんは肩を落とし、俯く。
「本当にごめんね。」
そんな愛奈ちゃんの姿を見ると悪い気がしたけど、私は屋上へと急いだ。


