将太は奥の部屋に入り、今にも襖を閉めようとしている。 私の体は無意識に動き、手は閉まろうとする襖をおさえていたのだ。 「……待って、将太…。」 私はそこに崩れるように座り込むと同時に、声を絞りだした。 「………何?」 将太はそう言い、顔を背ける。 それでも私は続けた。 「将太、昨日はごめんね…。私、何も分かってなかった…。無神経だった…。本当にごめん。」 私は涙を堪えながら将太に言う。 泣かないでちゃんと謝るって決めたから―――。 ………たとえ、許してもらえなかったとしても………。