「今も弟さんは一人で待っているんだよ。誕生日ぐらい一緒にいてやりなさい。」 まるで、実のおじいちゃんのような目で、諭すように言う。 これじゃあ、絶対断れないなぁ。 こういう風に言ってくれるのは、以前、渡辺さんに家の事情を話したことがあるからだ。 それ以来、とても気に掛けてくれる。 「…じゃあ、お言葉に甘えて、あがらせて頂きます。」 私は笑顔で一礼し、帰る準備をした。 「ちゃんと祝ってあげな。」 「はい!では、失礼します。」 そうして、私は渡辺書店を後にした。