どう見ても私の靴じゃないし、私は靴を無くしていない。 だから、するりと硝子の靴に自分の足が入った時は驚いた。 「……っ!?」 「おぉ!貴方こそが、王女となるお方ですね」 「はっ!?ち、違います!」 「さぁ、行きましょう」 「え!?あ、あの、ちょ……」 数人に腕を捕まれ、強制的に連れ出される。 「ジュリアが……王女!?」 姉も母も、口をあんぐりと開けて私を見ていた。