これでどこに向かってるかなんて、 全く分からない。 でも、急に上り坂を上っているらしく、 座席に押されている感じがした。 しばらく押されているのが続いた。 結夜がシートベルトを外している音が して、私のシートベルトも外された。 「結夜、もう取っていい?」 「まだ。これから歩くから。」 「えっ?このままで?」 「安心しろ、俺がいるから。」 車を降りて結夜に手を引かれながら、 歩き始めた。