「岩崎………」
どうしてこんな所で
あなたの声がするの?
どうして
どうして
「なんで…飯島………
なんで……来たの……」
涙であなたがぼやけてる。
だけど
紛れもなくあなたで
飯島で
目の前にいるのは
さっきまで教室で
寝ていた飯島真で
大好きな
飯島真で
「なんで…」
「デビューおめでとう」
走ってきたのか
少し息をきらしていた
飯島は私の手をとって
小さな何かを渡した。
「ピック…?」
それはギターを弾くときに使う
ピックだった。
「妹のひなから情報聞いてて
お前がギターもやるかもって
あいつ言ってたから…。
お前のデビューが決まったら
渡そうって思ってた。」


