雄介は黙ったままバスケのコートへ戻り、チームと相手チームに途中で抜けた事を謝った。



「悪い、このまま選手交代してくれ」


「あ、あぁ。後は任せろ」



チームメイトに了解を取ると雄介は、そのまま体育館から出て行き、保健室へ向かった。



「わりぃ、オレも交代。体力限界」



雄介の後姿を見送った後、耕平も交代を申しでた。

その様子はさっきまでの闘志が一気に消えたように、いつもの気だるそうな姿に戻っていた。



「進堂さん、今さらっとスゴイことしていきましたよね?!」


「えぇ…。梨央ちゃん大丈夫かしら」



たくさんのギャラリーと野次馬の中、身動きがとれずにいた3人はその様子を見守るしかなかった。



「ここは雄介に任せよう」



雄介の行動に驚きを隠せない奈々花と歩に真琴が静かに言った。