「梨央ちゃん知りません?」



後夜祭も間近に迫ってきた頃、歩が生徒会室に飛び込んできた。



「梨央ちゃん?見てないなぁ。雄介見た?」


「いや」



真琴が自分のすぐ横に立つ雄介に振る。



「……何か…お邪魔でした?」



なんとなくいつもと違う二人の雰囲気に気付いた歩が、余計な事を口走る。



「別に邪魔じゃねぇーよッ」



案の定雄介にどやされた歩は、慌てて生徒会室を出た。



「失礼しましたっっ」