「…ふふっ」 「あぁ?」 あたしの笑い声に、彼が何事かと振り返った。 さっき怒っていたはずなのにその表情はどこか間が抜けてて、とても“不良”とはかけ離れたものだった。 思い出した。 この人、前に図書室であった不良さんだ。 怖い、なんて思わなかったから全然気付かなかった。