「あたし、数学苦手なの~」 「えっ、得意なのあったっけ」 「酷い!!」 あははっと亜樹が笑う。 つられてあたしも笑った。 “しょーがないな”なんて言いながら、亜樹はあたしの課題を手に取る。 「うわっ、梨音には難し過ぎだね」 「そうなの!!もう暗号にしか見えないっての」 「暗号とか(笑)」 放課後の教室。 静かな空間にあたし達の声が響いていた。