そして風間は陽平に、陽矢を保育園に預けた日がわかるものがないかと尋ねた。
その日と金田の財布から見つかったレシートを突き合わせれば、何かが見えてくるかもしれないと思ったからだ。
「家内が手帳か何かに書いてるかもしれませんが、私にはわかりません……
それとなくメモがないか訊いてみます」
「お願いします」
深々と頭を下げた風間につられて羽田もぺこりと頭を下げる。
そんな二人を見ながら、陽平の意識は妻への疑念に満ちていた。
その表情に少し戸惑いを感じながらも、三度目となるいとまを告げ、風間は立ち上がった。
先の二度の訪問では気付かなかった写真立てが目に入る。
ゆっくりと近付き、そっと手にとった。
一つの写真立てに三枚の写真を入れることが出来るタイプのもので、四葉のクローバーをモチーフにした飾りがあしらわれている。
春はすぐそこまで来ているから季節柄似合うはずのものなのに、その春らしさも、幸せを象徴する四葉も、ひどく不釣り合いに感じてしまって申し訳なくなる。
大きな写真が一枚と小さな写真が二枚。
どれを見ても和葉と陽矢が笑顔で映っていて、身につまされた。



