そんな陽平の思考を根底から覆すかのように、和枝は言葉を口にした。
「陽矢を殺した犯人と同じ人が犯人なんですか?」
あっと思ったのは一瞬で、また陽平はわからなくなる。
「いや……」
和枝は知らないのだ。佐藤が金田を殺し、自ら自殺したことを。
それとも和枝は全く関係がなくて、ただ刑事たちは自分が同じところに勤務しているからという理由だけでうちに来たのだろうか。
堂々巡りのような思考のまま適当に会話を切り上げ、陽平は寝室を出た。
悶々と悩みながら居間へと戻る。
そしてふと陽矢と撮った写真立てを見て、きつく拳を握り締めた。
「陽矢……
お前はどうして殺されねばならなかった?
一体誰に殺されたんだ……」
ソファーにどかっと身体を沈めるように腰掛け、頭を抱えながら目を閉じた。



