帰ったばかりの刑事二人がまた来たのを見て、陽平は少しだけ眉をひそめた。
今以上にまだ何か嫌な知らせでもあるのかと暗に言いたげな顔付きだったのは一瞬で、恐る恐る言葉を切り出す。
「何か……?」
訪問者の雰囲気からするに玄関先で話すことではないと悟ったのか、戸惑いながらも家の中へと招き入れる。
スリッパも先程脱いだ状態であることから察するに、和枝は来客の対応など出来る状態ではないのだろう。
お腹を痛めた子どもがあんなことになったのだから当然のことだ。
風間と羽田は陽平に勧められ、ソファーへと座った。
「すみません、家内は少し横になってまして。
私はお茶の在処などすらわからない始末で、何もお出し出来ず、申し訳ありません」
「いやいやお気遣いなく」
そう言った風間に向かって、陽平は不安そうな面持ちで切り出した。
「ところで、何か……?」
「ええ、ちょっとお伺いしたいことがありまして」
そう言いながら風間が胸ポケットから手帳を取り出したのを見て、陽平は緊張したようにゴクリと唾を飲んだ。



